日活映画 くたばれ愚連隊

 封切 昭和351123
       ロケ地探訪 20046月.7月 兵庫県淡路島(鳴門岬・福良・長田・洲本)
       ロケ地探訪 20195月 兵庫県淡路島(福良・五色浜・吹上浜・白土山・洲本)

 キャスト

             スタッフ  
 和田 浩治  松平 定夫   監督  鈴木 清順 
 清水 まゆみ  井関 和子  企画   児井 英生
 小沢 栄太郎  溝口 勘十郎  原作  原 健三郎
 禰津 良子  相馬 ミヨ  脚本  山崎 巌
 東 恵美子  前原 由紀  撮影  永塚 一栄
 細川 ちか子   松平 郁代  照明   三尾 三郎
 内海 突破   内山  美術   佐谷 晃能
 土方 弘  山本 一郎  録音  中村 敏夫  
 高品 格   井関 三四郎  編集   鈴木 晄
 弘松 三郎   小平  音楽  大森 盛太郎
 近藤 宏   南條  助監督  西村 昭五郎
 亀山 靖博   三平  特殊撮影  天羽 四郎
 杉山 元   シゲ  色彩計画  上田 利男
 小沢 直好   竹念  制作主任  武藤 良夫
  伊東 柳晴   南淡町の町長 スチール   式田 高一
  白井 鋭   小平の子分 現像   東洋現像所
  有明 ユリ   歌手    
  伊東 柳晴   南淡町の町長    

主題歌 コロムビアレコード“純情愚連隊” 作詞:水島哲 作曲:浜口庫之助 歌:和田浩治

プロローグ

 看板屋の親爺、大作が、南条(近藤宏)という男が運転する車にはねられて亡くなった。雇われ人である定夫(和田浩治)が後をついでペンキ屋を続けることになり、大作の娘のミヨも仲間も賛成した。そこへ極東観光の事故係が、示談にしようとやって来た。憤慨した定夫は、極東観光へ怒鳴り込み、南条から百万円を貰って帰ってきたのだが、その事件が新聞に載り、東京で定夫を探していた井関弁護士(高品格)の目に留まった。井関は淡路松平家の家臣で、先代の子である定夫を連れ戻しに来たのだ。定夫はまだ顔も知らないお母さんに会いたい一心で、井関に連れられて淡路へと渡るのでした。

洲本港(本州からの船を出迎える人々)
井関弁護士(高品格)に連れられて洲本へとやって来たシーン。(映画のロケを見に来た人も映っているのでしょうか?それにしても凄い人ですね。)

現在の洲本漁港
埋め立てられているため、映画の洲本港は、もう少し写真の右にあったそうです。ここは、後ろの山以外、当時の面影はありません

洲本城天守閣 
井関弁護士の娘和子(清水まゆみさん)の案内で、
淡路島を馬で観光するシーン。

洲本市、三熊山にある洲本城天守閣

当時のままの天守閣。

天守閣のある三熊山から眺めた洲本の海岸線
後ろ姿、和田浩治さんと清水まゆみさん。

現在の洲本海岸。
手前は市営大浜海水浴場(映画と同じ位置より撮影)

押上橋
上のシーンの続き。木の橋を渡る

押上橋
三原川に架かる押上橋(おのころ島神社ある赤い橋の一つ川上にある橋)
橋は、造り替えられています。
地元の方に映画と同じ橋であることを確認して撮影
高い位置から映すと背景の山が、同じように見えると思います。

五色浜
上のシーンの続き 
五色の石をまゆみさんの手のひらに乗せる和田浩治さん

同、五色浜 
兵庫県洲本市五色町鳥飼浦
浜辺の面積が少なくなっていて、海岸線の道路に見えていた松の木はありません。その分、道路が広くなったようです。

国指定名勝:慶野松原
上のシーンの続き

国指定名勝:慶野松原
兵庫県南あわじ市松帆慶野
南北2.5km続く砂丘状の松。
広い広い松並木のどこで撮影されたのでしょう。松が大きくなっていることがわかります。

キャバレー・ジョーカー 
和子(まゆみ)「確かここよ。お母さんの生まれたところって。」
定夫(和田浩治)「へえ、キャバレーか。随分変わったものだ。」

キャバレー・ジョーカー跡
兵庫県洲本市
現在、駐車場になっています。

上のシーンの続き
撮影場所不明

松平家の別荘として登場する家。
撮影場所不明 賀集家かな?

吹上浜
上のシーンの続き
松林から海岸に駈け下りる二人

兵庫県南あわじ市阿万吹上町

吹上浜
小平(広松三郎)「あの小僧が松平家の跡取りです。ほって置いてもどうてことはないでしょう。」
南条(近藤宏)「のん気な事を言っているとひどい目にあうぞ。」

吹上浜教育キャンプ場:私有地につき立ち入り禁止

洲本市営 大浜海水浴場
観光貸馬の前を歩く(小平)弘松三郎さん

洲本市営 大浜海水浴場
観光貸馬 現在は営業していないようです。 

洲本市営 大浜海水浴場
定夫を探す南条の手下
正面の建物は旅館「松栄館」の別館

市営大浜海水浴場
正面は「松栄館」の別館跡に建てられた互助センター
基礎部分は当時のまま残っています。

洲本市営 大浜海水浴場

海岸の松の木にポスターを貼る定夫(和田浩治)と和子(清水まゆみさん

洲本市営 大浜海水浴場
フイルムの縦、横の比率が違う為に、正面の松の木をアップに撮ると後ろの風景が、カメラに収めきれなくなるので、松の木から少し離れて撮影しました。

神戸地方検察庁洲本支部
おばば様と、口論になり家を飛び出す定夫。探しに来たおばば様をおんぶして帰るシーン

神戸地方検察庁洲本支部
兵庫県洲本市山手1丁目1-23
神戸地方検察庁洲本支部前の堀と通路

神戸地方検察庁洲本支部
おばば様と、口論になり家を飛び出す定夫。探しに来たおばば様をおんぶして帰るシーン

神戸地方検察庁洲本支部
神戸地方検察庁洲本支部前の堀と通路
8
本の松が当時のまま残っていました。

吹上浜
ユースホステルが完成。
訪ねて来た友達と馬で散歩するシーン
定夫:このへん一帯を遊園地にしようと思うんだ

吹上浜
三平(亀山 靖博)俺は反対だ。俺は、ホテルのドアボーイやってたほうが良いや。

吹上浜
おばば様が、母親を迎えに行ってくれると聞いて大喜びの定夫

吹上浜
兵庫県南あわじ市阿万吹上町

吹上浜
おばあさんの為にじゃんじゃん働くぜ

同、吹上浜
兵庫県南あわじ市阿万吹上町
右側の山肌が削られて無くなっているようです。

福良 なると祭
映画の中だけで『なると祭』と言った行事はないようです。

福良 築地橋
埋め立てられ、新しく出来た水門の向こうに映画と、同じ山が少しだけ見えていますが、カメラ位置が低い為、同じように撮ることができません。

祭りの日
家に戻って来る定夫。

洲本市:大浜海岸前の道路
大浜海水浴場前の通りにあったお屋敷跡。
さら地になっていてなにもありません。

 

祭りの日
『権利証と印鑑を持って白土山に来い。引き換えに婆さんを渡す。
おばば様が連れて行かれた事を知り、白土山に向かう

洲本市:大浜海岸前の道路
上と同じ場所

 

祭りの日
上の続き 
白土山に向かう馬の疾走シーン

撮影場所不明

白土山に向う馬の疾走シーン

実は白土山とは 逆方向に下っています。
左と、右の奥に同じ家が残っていることがわかります中央の木も同じところに残っています。
白土山に向う馬の疾走シーン

逆方向に走ったのは、こちら方面の景色が良いからかもしれません

白土山に向う馬の疾走シーン

逆方向に走ったのは、こちら方面の景色が良いからかもしれません  

白土山に向う馬の疾走シーン
こちらは確かに白土山(正面の白い山)に向っています。

映画では、白く見えていた白土山ですが、木や雑草におおわれて見えにくくなっています。

白土山と大池
おばばさまを馬に乗せて逃がすのですが、再び、南条に捕らえられます。

白土山と大池
道路が嵩上げ、拡張されて、右側に見えている池の石垣が無くなっています。また上りだった道路が平坦な道になっています。
カメラ位置が低いため道路のカーブが良く見えません

南あわじ市鳴門岬(鳴門海峡と飛島。)

映画終盤・定夫(和田浩治)や警官に追われて、小舟に乗り込む南条(近藤宏)さん。

鳴門岬
大阪の学生さんが岩場まで降りて、撮って下さった写真です。大鳴門橋の真下。干潮時に撮影。映画と同じ岩が残っていてほんとに良かったです。

鳴門海峡

渦にのまれる小舟。

鳴門海峡
2007.5.15 9:44分 撮影
この日は大潮 干潮時間 10:40分(南流)

祭りの続き 
神戸銀行(撮影当時)の後ろにアオイパチンコホールの文字が見えています

淡路信用組合福良支店と、アオイパチンコホール
後ろに見えていたアオイパチンコホールは
マンションに建て替えられています。

祭りの続き 神戸銀行前(撮影当時)
「母さんは 東京に帰ったぞ・・・・。
今、すぐ行けば間に合うぞ。由紀さんを止められるのはお前だけじゃ。」

淡路信用組合福良支店 元神戸銀行
兵庫県南あわじ市福良甲1526−3
左に見える久留米電気商会は現在も営業中です。

淡路交通の電車とジープ
クラクションを鳴らしながら電車を追いかける和田浩治さん。右側に淳仁天皇陵(古墳)が見えます。

28号線 南あわじ市福良
同じく濃い緑が淳仁天皇陵(古墳)。映画のシーンはもう少し後ろから撮影されているようです。

淡路交通の電車とジープ
一端、線路を横切り、バックで線路上にジープを停車させる和田浩治さん。

南あわじ市長田
右側、白いガードレールから、左側にある自販機方向に斜めに交差している道路。

線路の上にジープを停車。ジープの上に立つ和田浩治さん。

南あわじ市長田 
当時の電車路、現在はバス路線。正面に同じ山が確認できます。

淡路交通 上りの電車を止める和田浩治さん お母さんを電車から降ろすシーン。

S39年頃の淡路島路線地図 《福良ー長田ー洲本》
赤い線が福良からの淡路交通の路線です。

《神戸淡路鳴門自動車道》(○淡路島南ー西淡三原ー洲本)十字印撮影場所(鳴門岬・28号線福良・長田・洲本海岸)赤印《淳仁天皇陵(古墳)》と《天守閣》

 淡路交通をお訪ねして、静止画像を見て頂いたところ、偶然にもお話をお聞きした方(山口さん)が、当時ロケを見に行っており、電車を止めるシーンが「長田」であると、教えて下さったので、長田の元電車路を二度、走行した結果。背景の山。斜めに交差する道路と、その手前、元電車路のカーブが映画と同じだった為、ここと断定しました。(右のコンクリートの建物の影が緩やかなカーブになっています。)

福良から、余りにも離れた場所で驚きましたが、線路と道路が交差する良い撮影場所だったのでしょうね。

ロケ地マップ


おまけの映像

映画のお屋敷
祖母、松平郁代(細川ちか子)さんのお屋敷の外門

お屋敷の中

お屋敷の中
お屋敷の渡り廊下

 撮影に淡路交通の初代社長・賀集新九郎さんのお屋敷(南あわじ市賀集)が使われたとお聞きし、訪ねて来ました。のお屋敷は5年後の1965年に全焼。
 現在は、敷地3500坪を囲っている外塀しか残っていません。また、外塀の二方が、竹やぶでおおわれていて外門の確認ができなかったのですが、和田浩治さんが出入りするお屋敷が海の傍にあったこと、映画の外塀とは石組みが違っていることから、撮影に使われたのは、お屋敷の中だけだったようです。

   
白土山 現在、立ち入り禁止 白土山 現在、立ち入り禁止 
   
白土山 現在、立ち入り禁止  白土山 現在、立ち入り禁止 
南あわじ市福良
阿波踊りを踊る和田浩治さん
南あわじ市福良
阿波踊りを踊る和田浩治さん(?銀行の前)
大鳴門橋の巨大な橋桁。
岩場の上から撮った写真。対岸の徳島県と、飛島が見えています。
大鳴門橋
岩の真上に、映画から後に完成した大鳴門橋が架かっています。


 
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